パイロット対象のアイトラッキング研究を紹介します


アイトラッキングとは、人間の視線を計測して可視化、分析する技術です。
研究室では大学の研究振興費の支援を受けて次のような取り組みを行っています。

学生がFTDで操縦したときの計器をスキャンする際のアイトラッキングを記録して可視化し、教員からその妥当性についてアドバイスを行う。
同時に操縦記録も記録し、操縦精度との関連を研究する。

このように文字で書くとイメージが沸きにくいと思われますので、最初に私のyutube動画をご覧下さい。

https://youtu.be/N5bD4YMvMhM

ちなみにこの動画は私が初めてDA42のFTDで急旋回(スティープターン)を行った時のアイトラッキングです。


急旋回で、バンクを切り替えしているときのスキャンターゲットをヒートマップにしました。
赤が最もよく見ている範囲です。
バンクとピッチに注目し、その次に高度を見ていることがわかります。

これは可視化の一例ですが(研究中につき詳細を紹介できないことを御理解下さい)、今後統計処理を行い、データサイエンスの力を借りて様々な分析を行います。

なお、研究に参加していただいた学生一人一人に前述した動画をプライバシーに配慮しつつ、下記のように動画や統計分析結果として個別配布しております。

(これらは学生のものではなく、私の動画と解析データです)

これまで殆どのパイロットは自分がどこを見ているかを、自分でさえも知ることが出来なかったと思います。
私も今回初めて自分のスキャンを見て大変興味深く感じました。
この研究は学生にも好評で、「自分の課題が浮き彫りになった」等のコメントが数多く寄せられております。

現在、学生には急旋回以外にも多くの科目を操縦していただいて研究を進めています。
このように出来るだけ科学的に、公平な視点で航空機の操縦教育を行う事を目指しております。